春に笑って、君宿り。

変わらず受け止めてくれるのも
慌てて「どうしたの」って心配してくれるのも
「聞こえてるんだけど」って困ったような顔するのも

こんなに好きなのに。

これって友達なのかな、私の気持ちって、本当に友達に対するものなのかな。


言葉が欲しいよ、雪杜くん。


「私たち……友達なの……?」


どこにでもあるありきたりな言葉だって、あなたからもらった言葉なら
それは一瞬で私の中の特別な言葉になるから。


「そう、なんじゃない」


綺麗な顔に、傷つけちゃってごめんなさい。
ラッキーアイテムだったんです。

髪の色と合うかなと思って、選んできたんです。

特別で超最高な日にしたかったんです。


そんな顔をさせたかった訳じゃないんです。


うまくいかないね。
今までの恋も、私がいつも失敗してきた。

今回も、全部私のせい。
私が失敗した。

でも、今みたいにこんなに苦しくなったことない。
こんなに悩んだことない。

今まで彼氏になってくれた人たちは、してほしいことを明確に伝えてくれた。
それをするだけで笑ってありがとうって言ってくれてた。

なのに、こんなに苦しい。
雪杜くんがしてほしいことがわかんない。

わかんなくて怖い。


雪杜くんに手を握られて、自分の手がとても冷たい事に気付いた。


友達の距離感。


そんなの、わかんないよ。