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「ぎゃああっ!!!!」


井戸から出てきた髪の長い白装束の女の人
突然響き渡る謎の笑い声
と思ったら無音の暗闇

怖すぎる!! いっそ気でも失えたらいいのに!!


「ははっ。カノ、怖かったら掴まっとけよ」


隣を歩く信濃くんは、驚くわけでも声をあげるわけでもなく
ただ私を見てこうして笑っている。
ちょっと悔しい。


「……だ、大丈夫だよ!!」


雪杜くんに距離感おかしいって言われたもん。
ちゃんと普段から気を付けなくちゃ。

……信濃くんに対してはこうしてセーブできるのに……。


「……やっぱり、ユキメ後輩と来たかった?」

「えっ?」


唐突に信濃くんの口から飛び出た好きな人の名前。


「俺、今度こそちゃんとカノのこと好き」

「!?」

「ちょ、危ね……っ」


唐突に飛び出た、「好き」って言葉。
ずるっと足を滑らせ、体勢が崩れた。

このまま頭をぶつけて失神して、目が覚めたら雪杜くんがいてくれたらいいのに。