春に笑って、君宿り。

いやいやいや。
だから俺はまだ行くとも言ってないし
男女ペアになることに関して了承もしてないんですけど!?

勝手に話進めないでくれませんか。


「そういうことだから、行こ、カノ」

「……」


あの人の手をそっと引いて、優しく立ち上がらせるトーガ先輩。


「……うん、行こっか」


に、ついて行くあの人。

……え。ちょっと待って、行くの? トーガ先輩と?

元彼なんでしょ?
ひどい扱い受けたんでしょ?

なんで、そんな人と一緒に……。


「……っ」


やっぱ、一緒にいてくれる人なら、誰でもいいんじゃん。


「あの」


すぐ隣で、小さくか細い声。
あの人とは正反対の、大人しい小池先輩。


「私、さっきのコーヒーカップでフラフラなので、休みませんか……」

「……」


こくんと頷いて、同じベンチに座った。
それでも、視線はお化け屋敷の方に向かって行ったあの人の後ろ姿。