春に笑って、君宿り。

「お待たせ―!! はあ、楽しかった!!」


「どういう意味ですか」と聞こうとした時。
コーヒーカップ2周目に行ってきた女子2人が戻ってきた。


「よし、次はお化け屋敷!!」


モデルの体力がお化けなんだけど?


「お化け屋敷……!?」


聞き慣れた声に、視線をうつす。
ああもう、これ直したい。


「……わ、私はやめておこうかな!?」


あれ。
もしかして、あんな子供だましが怖いの?
我先に賛成して、ずかずか入って行くんだと思ってた。


「カノ、怖いなら俺と一緒に入ろう」

「え……」


トーガ先輩が、あの人の手をそっととる。
驚いたようにトーガ先輩を見上げてから、ふっとこっちを見てきた。
いや、なんでそこで俺の方向いてくるわけ。

意味、わかんないんだけど。

そう思いながら、視線をそらした。


「じゃあ男女ペアになってまわろっか!! 環、あたしらが先陣切って行くよ!!」

「っしゃ任せろ!!」