「あ、もしかしてぐるぐる回るの、苦手?」
「苦手じゃない、普通に乗れるし」
肩をつかんで、グッと腕を伸ばして距離をとる。
悪いけど、俺はその辺の男と違ってそんなんじゃ絶対好きにならないよ。
簡単に人に「好き」って言えるほど軽い気持ちなんでしょ。
簡単にゼロ距離を許してしまうほど、俺を男として見てないってことでしょ。
そんなの、どうやって信じろって言うの。
体を離して、歩き出す。
……なんでちょっと苛ついてるんだろう。
「なにしてんの、乗るんでしょ。コーヒーカップ」
「うんっ!!」
「っ、だから、勝手に腕組まないでって」
「あ、ごめん!! えへへ」
本当に、人の話少しは聞いたらどう。
口に出そうとして、ため息で終わる。
いつだって何を言ったって、そうやって笑われたら毒気を抜かれる。
仮にも「好きな人」とこんなに密着したら、少しくらい意識でもするもんじゃないの?
あんたの中の好きの概念ってどうなってんの。
……別に、知る必要なんて俺にはないんだけど。
「雪杜くんとデート、楽しいなあ」
違うから。
デートじゃないから。
誰かこの人、なんとかして。
「苦手じゃない、普通に乗れるし」
肩をつかんで、グッと腕を伸ばして距離をとる。
悪いけど、俺はその辺の男と違ってそんなんじゃ絶対好きにならないよ。
簡単に人に「好き」って言えるほど軽い気持ちなんでしょ。
簡単にゼロ距離を許してしまうほど、俺を男として見てないってことでしょ。
そんなの、どうやって信じろって言うの。
体を離して、歩き出す。
……なんでちょっと苛ついてるんだろう。
「なにしてんの、乗るんでしょ。コーヒーカップ」
「うんっ!!」
「っ、だから、勝手に腕組まないでって」
「あ、ごめん!! えへへ」
本当に、人の話少しは聞いたらどう。
口に出そうとして、ため息で終わる。
いつだって何を言ったって、そうやって笑われたら毒気を抜かれる。
仮にも「好きな人」とこんなに密着したら、少しくらい意識でもするもんじゃないの?
あんたの中の好きの概念ってどうなってんの。
……別に、知る必要なんて俺にはないんだけど。
「雪杜くんとデート、楽しいなあ」
違うから。
デートじゃないから。
誰かこの人、なんとかして。



