「私、やっとわかったの」
「……」
「これが、本当の恋だ……って!!」
「飛ばすな花吹雪」
幼なじみがこんなに楽しく恋してるのにさ、
心配より一緒に喜んでほしいなって思うのはわがままなんだろうか?
「おーい、小日向」
「?」
教室の入り口から、まだ顔と名前が一致してない男子に呼ばれる。
「呼ばれてんぞー」
「!!」
入り口からちらりと見えた、私の愛しい彼氏の姿。
私はガタッと立ち上がって小走りで向かう。
朝から会えたっ!!
嬉しいっ!!
いつもは周りに女の子がいるおかげであんまり学校では話せないんだよね。
「し、信濃くん!! どうしたの?」
赤みの強い色で、ほどよく遊ばせた髪。
高身長だけど細い体。
そして優しく微笑む整ったお顔。



