「笑えない冗談」って、
微笑みながら言うの、かなり反則というか、なんとういうか。


「それにしても、偶然」


……好き!!


「帰り道が一緒とか、はあ……これからめんどくさいことが起きそうな予感」

「私バス通学!!」

「……これからは自転車にしよう」

「じゃあ私も!!」

「はあ……」


歩いて帰るには少し遠くて
自転車で帰ると少し短くて
バスで帰るとあっという間の距離。

今、雪杜くんと2人で歩いて帰っている。
一番遠く感じるはずなのに、こうして他愛ない話をしているだけで幸せで楽しくて、ずっと家についてほしくないと思う。


「……」


ちらっと隣を見れば
少し上の方にある雪杜くんの美麗なお顔。

何度も見てしまう。
今私がこの人の隣にいるんだって事を実感したくて。


「……人の顔ジロジロ見て、なんなの」


ちょっとだけ恥ずかしそうに、視線だけをこちらに向けるのも可愛くて好き。