春に笑って、君宿り。

細い目が鋭く睨んでくる。


「男とっかえひっかえとか、普通に引くし。だいたいそんなの、前の彼氏のこともきちんと想ってなかってことじゃん」

「ち、ちが……っ」

「そんなに簡単に気持ちを切り替えられるなんて、すごいね」

「……」


普通は、やっぱりそう思うんだよね……。
何も言い返せない。

でも本当の事なんだよ。今の私の気持ちが本当なんだよ。


「そもそも、俺の何を知ってあんなこと言ってきたわけ」

「っ」


ブランコから降りて、雪杜くんの目の前に立つ。
どうか届いて欲しいと思うし、どうか伝わって欲しいって願いを込めて、彼の紺色の瞳を見つめた。


「知らないよ!!」

「でしょ? だったら」

「知らないから、気になった!! もっと知りたい!! 雪杜くんが好き!!」

「……」


さっきほどじゃないけど、やっぱり顔が赤くなる雪杜くん。
そんなところもやっぱり好き。

もっともっと君のことが知りたいよ。


「……大好き!!」

「……っわ、わかったから」