春に笑って、君宿り。


「ちょっと、何やってんの!?」


何度聞いても心地よく鼓膜をふるわせる君の声も


「ねえ、どこか打ってない!?」


絶対自分の方が痛いのに、真っ先に私を心配してくれるのも


「ちょっと、聞いてる!?」


会ったら何を話そう?
なんて言おう?

そんなの、やっぱりこれしかないよね。


「何笑ってんの!? だいたい2年生ともあろう人が何やってんだよ、もし怪我でもし」

「好き」

「たら……」

「大好き」

「……」


ギャンギャン吠えるみたいにしていたのに、急に黙っちゃった雪杜くん。

そして、みるみるうちに顔が赤くなっていく。
可愛い!!!!


「……っはあ!?」

「? 大好き」

「いや聞こえてたけど!!」


抱きつきたいのに、細くてごつごつしている腕が私の両肩をつかんで距離をとる。
……むう。