俺はよくあいつが泣いてるところを見てきた。
うまくいかなくて
自分が悪いと責めて
どうしたらいいかわからないと悩んで
もう嫌だと投げ出したくてもできないもどかしさで
そのたびに「頑張れ」と励ましてきた。
カノは知らないだろうな。
「頑張れ」と励ますのもけっこうキツいんだよ。
「……タマキ先輩」
「うん」
これは俺の直感だ。
確証も根拠も何もない。
「……俺、花暖先輩が好きです」
それでも、奈冷のこの真面目な表情だけで十分思える。
きっと奈冷なら、と。
「そっか」
奈冷の言葉を聞いて、つい口角が上がる。
「……人にこんな恥ずかしいこと言わせておいて、『そっか』ですか」
「今、めちゃくちゃ嬉しくて他に言葉出てこなかった」
「タマキ先輩、いいんですか?」
「え?」
奈冷は立ち上がって、俺のもとにそっと近づいてくる。
うまくいかなくて
自分が悪いと責めて
どうしたらいいかわからないと悩んで
もう嫌だと投げ出したくてもできないもどかしさで
そのたびに「頑張れ」と励ましてきた。
カノは知らないだろうな。
「頑張れ」と励ますのもけっこうキツいんだよ。
「……タマキ先輩」
「うん」
これは俺の直感だ。
確証も根拠も何もない。
「……俺、花暖先輩が好きです」
それでも、奈冷のこの真面目な表情だけで十分思える。
きっと奈冷なら、と。
「そっか」
奈冷の言葉を聞いて、つい口角が上がる。
「……人にこんな恥ずかしいこと言わせておいて、『そっか』ですか」
「今、めちゃくちゃ嬉しくて他に言葉出てこなかった」
「タマキ先輩、いいんですか?」
「え?」
奈冷は立ち上がって、俺のもとにそっと近づいてくる。



