春に笑って、君宿り。

いろんな事があった。

本当にいろんな事が。

毎日めまぐるしくて、
景色なんて見る暇がないくらい、人の為に走り回っていた日々を過ごしていたと思う。

毎日雨ばかり降って、わざと濡れて涙を誤魔化してた。


そんなとき、あの川で君を見つけたの。

君が笑うと嬉しいの。

青い桜がパッと咲いて、すごく綺麗な君の笑顔に一目惚れしたの。

元気がなくなったら水をあげるから。
つぼみが膨らんだら一緒に喜ぶから。
散るときは、綺麗だねって一緒に踊ろうね。


めまぐるしく走り回る事なんてやめて
走り方なんて忘れて
すっかり君の元にとどまったの。


「雪杜くん」

「うん?」

「じゃあ撮りまーす。1+1はー?」

「大好きっ!!」

「だ……っ!?」


全部好きだよ。
でも、間違いなく君の笑顔が一番好きだよ。


疲れたときは

一緒に雨宿りしようね。



Fin.