春に笑って、君宿り。

ニッと笑い合っていると、やっとみんながこちらにやってきた。


「……というか、タマキ先輩」

「何だよ奈冷、なにか不服か?」

「不服というか、このタイトルむぐ……っ」


環くんが光の速さで雪杜くんの口を手で乱暴に塞いだ。

……タイトル?


「ばかお前っ!! カノが自分で気付いた方が感動的だろうが!!」

「……?」


タイトルをもう一度見る。

……春なのに、夏と雪っていう言葉が入ってるのはさすがのセンスだなあとは思うけど
2人が言ってるようなものとは違うような……?


「カノちゃん、みんなで写真撮ろう!!」

「あ、うん!!」


私と雪杜くんを中心にして、
みんなで大きな桜の木の下に並んだ。

萌ちゃんが、美術館のスタッフさんにスマホを渡して、操作方法を伝えている。


「雪杜くん」

「なに?」

「こんなに大きな桜の下で写真なんて、なんだかお花見みたいだね」

「……うん」


私の言葉に目を細めて笑った。