春に笑って、君宿り。


噂の内容。

他校の先輩と殴り合ってた。
動物虐待してた。
よく夜に出歩いている。
警察のお世話になったことがある。

……等々。


なにそれ、なにそれ。
ますますめっちゃ気になるんですけど?

だって、そんなことするような人には見えなかったから。


「こんな噂が広がってるのに、黙って見てられるわけないでしょ」

「……私」

「わかったら、もう少し冷静にな「雪杜くんのところ行ってくる!!」


萌ちゃんに続いて環くんが何か言いかける。けど。

私は今すぐ雪杜くんの所にいって話したい。
噂のことはもちろんだけど、ただ話したい。

私もう、雪杜くんのことで頭がいっぱいだよ。


「ちょっと、はなの!?」

「ごめん、自分で確かめたい!! みんなは先に帰ってて!!」


3人に向かって手を振り、この間まで自分たちがいたはずの1年生の教室へ向かって走る。


廊下が長い。
階段が多い。

こんなに遠かったっけ?


私今すごくわくわくしてる。
空だって飛べちゃいそうだよ。