春に笑って、君宿り。

普段は一歩引いたあたりからずっと見守ってくれて
違うと思ったらいつも声を上げてくれて
泣いていたら頑張れと背中を押してくれる環くん。


よっぽど助けられてきたな、って色々思い出していたとき。


きゅっと、手を握られる。

見れば雪杜くんが少し照れたように頬をピンク色に染めていた。


「……えへへ、大丈夫だよ雪杜くん」

「なにが」

「私は雪杜くんが好きだよ?」

「だから、なにが」


つーんと私と反対の方を見ちゃって。
もう。
だから耳が赤いんだってば。


「だからいちゃつくなっつの!!」

「どーどー統河きゅんは俺とまわろーぜー」

「マジでお前カノの警備厳重すぎ……!!」


信濃くんと環くんは相変わらず仲良しで、環くんのおすすめコースに行ってしまった。


「ほんじゃ」

「私たちも向こうから回るね!!」

「え、2人とも……」

「ごゆっくり、はなの」

「またあとでね!!」