*花暖side*

季節が変わって、春休み。
私はとある美術館の前に立っていた。


「……あ!!」


流れる人混みの中に、愛しい人の姿を見つける。


「雪杜くん、おはよう!!」


両手を振って声をかけると、最初から私を見つけていたみたいにこっちを見て笑う。


「おはよ、花暖先輩」

「~っ」


今日も笑顔がまぶしい!!
私服もかっこいい!!
ちょっと身長も伸びて、もっとかっこいい!!


「大好き!!」

「っ!?」


我慢できなくて飛びついた。
みなさん、この人が私の彼氏です。彼氏。


「……、ちょっと」

「あう」


無理矢理引きはがされてしまった。
うう、久しぶりに会えたのに……。