春に笑って、君宿り。

あんなに楽しそうにしていたのに、
俺の小さなため息一つでこんなに簡単に焦る。

ほんと、飽きない。


「好きだな、って思っただけ」

「っ!?」


先輩のお団子が飛ぶのを両手でおさえた。
そして今にも火を噴きそうに赤い先輩の顔を今度こそガッチリガード。


「ゆ、ゆきもりくん」


ねえ。

星だけじゃなくて俺のこともちゃんと見て。


「なんだか、その、ちかい……ね?」

「散々ペタペタ触ってきておいて、今更こんなことで照れないで」

「で、でもこれって、あの、まるで……わ、私たち、これから……」

「だめ?」

「だめ、じゃない……」

「もしかして嫌だった?」

「い、嫌じゃない……け、ど」


ならいいでしょ。

こっちはずっと我慢してたんだから。


「……ん」