春に笑って、君宿り。

「えへへへ……」

「うん?」

「本当に、私のこと好きなんだな……って、なんだかやっと実感……」


口元を手で押さえて
嬉しそうに笑う先輩が愛しくて。


「……先輩」


そっと頬に手を当てる。

寒いから風邪をひかないようにとたくさん着込ませたけど
触れた頬が思っていたより熱くて。

少し着込ませすぎたかな、って。


「……」

「あー!!」

「ぅ、わっ!?」


突然声を上げる先輩。
し、心臓止まるかと思った。


「今、流れ星!!」


空を指差して、「私初めて見た!!」と喜んでいて。

まったく。
雰囲気ぶち壊れたじゃん。


「ねえ雪杜くん、あの星座は!?」

「……はあ」

「な、なんでため息!?」