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着いたのは、近くにある公園。
時間も遅いので周りには誰もいない。

こんなに静かだと、少し怖いな。


「雪杜くん、どこに行くの……?」

「この先」


まだ私たちの手は繋がれたままで、握り返すのが恥ずかしくて、でも嬉しくて。
もう何でもよくなって、言われるがまま足を進める。


「足下気を付けて」

「う、うん……っ」


公園の裏にある小さな坂道を登る。
……道って言うほど整ってない。
道は道でも、さながら獣道だ。

暗くて不安定だけど、雪杜くんがしっかり手を握ってくれてるおかげで……


「っわあ!?」


ズルッと足を滑らせて、雪杜くんに抱き留められる。
ああ、私ったらまたドジを。


「言ってるそばから」

「ご、ごめんね……」


ありがとう、と体を離そうとしたとき。
雪杜くんの腕にぎゅっと力が入って、それから。


「見て」