自分の頭上で、そんな言葉が行き来している。
私はというと、もうすっかり雪杜くんにしがみついてしまっていた。
顔だって上げられない。
雪杜くんの腕につかまる手も離せない。
もう離れたくない。
「……ね、花暖先輩」
「っ」
やだ。
そんなふうに呼ばないで。
これ以上好きになったら、どうにかなっちゃうから。
苦しくて耐えられないから。
「カノ」
後ろから環くんの声。
そっと声のした方を見れば、環くんは困ったように笑っていて。
「頑張れよ」
「っ環く……」
「奈冷、あと頼んだぜー」
「はーい」
少し抜けたような返事とは裏腹に
私を抱きしめる腕には力が入った。
ひらひらと手を振って背を向けた環くんに、何度も心の中でありがとうと叫んで
もう一度雪杜くんの胸に、ぐっと顔を押しつけた。
頑張るしかない。
あんなに「頑張れ」と言われてしまったら、
もうどうしたって頑張るしかない。
私はというと、もうすっかり雪杜くんにしがみついてしまっていた。
顔だって上げられない。
雪杜くんの腕につかまる手も離せない。
もう離れたくない。
「……ね、花暖先輩」
「っ」
やだ。
そんなふうに呼ばないで。
これ以上好きになったら、どうにかなっちゃうから。
苦しくて耐えられないから。
「カノ」
後ろから環くんの声。
そっと声のした方を見れば、環くんは困ったように笑っていて。
「頑張れよ」
「っ環く……」
「奈冷、あと頼んだぜー」
「はーい」
少し抜けたような返事とは裏腹に
私を抱きしめる腕には力が入った。
ひらひらと手を振って背を向けた環くんに、何度も心の中でありがとうと叫んで
もう一度雪杜くんの胸に、ぐっと顔を押しつけた。
頑張るしかない。
あんなに「頑張れ」と言われてしまったら、
もうどうしたって頑張るしかない。



