春に笑って、君宿り。

「やっぱ、花暖先輩は何もわかってない」

「だよな、俺も同意見」

「ふ、2人してそんな事言わなくても……って、え!?」


気付いたら、環くんの隣に雪杜くんの姿。
い、いつの間に!?

というか、家に帰ったんじゃ……!?


「2人で買い物ですか?」

「おー、そんなとこ」


ちょ、ちょ、ちょっと待って。
この感じ、もしかして。

私が環くんと一緒にいる→私と環くんが付き合っているという誤解が生じるのでは!?

だ、だめだ、ここに来てそんな失敗、許されないよ!!


「ゆ、雪杜くん!!」

「うん?」

「これは、誤解!! 誤解なの!!」


手も声も震えて、声がちょっと大きくなってしまった。
ああ、雪杜くんもびっくりしてる。

でもこれで、変な誤解も解けたよね!?


「……なにが?」

「え、だ、から……」

「2人が買い物してるだけでしょ? なにが誤解?」

「え、と……」