春に笑って、君宿り。

***

「……」

「……」


次の日の帰り道。
雪杜くんは、じっと私を見つめて一言も話さない。


こ、これは。

今回の作戦、結構かなりめちゃくちゃ効いてるんじゃない!?


昨日はメイク道具をそろえて
萌ちゃんオススメの洗顔・保湿剤も購入。
早速家に帰ってしっかりお肌のケアをして、学校で萌ちゃんにメイクをしてもらった。

髪の毛のケアの仕方も教えてもらって、この通りとぅるんとぅるん。

そして、極めつけは今までいじったことのないスカートを二つ折り!!

膝上になって少しスースーするけど
「オシャレは時として我慢」という萌ちゃんの言葉を思い出す。

ど、どうだっ!!

これで意識せざるを得ないでしょ?
私のこと、好きになっちゃうでしょ?


「……先輩」

「!!」


優しい声だ。
告白!?
これは、告白されるやつ!?

わ、わ、待って、今深呼吸するから、ちょっと、待っ……


「風邪引くよ」