どうして?
確かに期間は短かったかも知れないけど、統河くんは間違いなく私の事を必要としてくれてたもん。

その前だって、その前の前の人だってみんな。
私を必要としてくれてたのに。

ちゃんと恋愛、してたのに。


「問題はその後」

「その後……?」


ゴクリと唾を飲み込む。

まるで大がかりな事情聴取だ。
緊張感が今までの比にならない。


「お前、今度の相手は年下だぁ……? しかも、昨日知り合ったばかり、今朝名前を知ったばかりの年下だぁ……?」

「うっ!?」


環くんの大きな手が私の顎をつかみ、指でほっぺたをぎゅむっとされる。

小さい頃から怒るときはこうして顔をぎゅむぎゅむされていて、なんだかちょっと懐かしくなった。
そうきっと環くんも、私と同じで懐かしさに心躍らせて……


「お前は本当に、次から次へと……」

「………」


そんなことはなかったみたい。
めちゃくちゃ怒ってますやん。


「カノちゃん、あの子……雪杜くんだっけ?」

「ん?」

少し申し訳なさそうに、心配そうに、乃奈香ちゃんが口を開く。