春に笑って、君宿り。

だったら、こんなところで固まってる場合じゃない!!

作戦その1:攻撃は最大の攻撃なり作戦。


「雪杜くん!!」


思い切って雪杜くんの教室に突撃。


「え……花暖先輩?」


突然の私の登場に驚く雪杜くん……の周りに。


「あ、あの人が例の奈冷くんの追っかけ?」

「え~かわいい?」

「髪の毛はかわいい~」

「そう? 普通じゃん?」


ただ教室に入っただけなのに
女の子たちに囲まれている(しかもそこそこ距離が近い)雪杜くんの姿と、
その女の子たちからの容赦ない言葉のナイフでズタズタに引き裂かれる。


「く……っ、今日の所はこれくらいに……!!」


しておいてあげるんだから。
せめてかっこいい捨て台詞でも吐いてかっこよく立ち去る。


「何しに来たんだろ?」

「2年生で迷子とか?」

「……ぷっ、かっこ悪〜」


女の子のそんな声がとどめを刺した。
ほんとだよね……かっこわるい……。

ううう、作戦その1失敗……!!

でも、こんなんじゃへこたれないんだから!!