春に笑って、君宿り。

「なるほどねー……」

「えっ、なに!? 気になる!!」


雪杜くんは「いや……」と、ゆっくり視線を私から逸らす。


「『告ったら100%の確率でOKしてくれて、しかも言うことは何でも聞いてくれる』って噂が流れてるから」

「!?!?!?」


いっ……1年生にまでその噂広がってるの!?
人助けしてるだけなのに、そんな、どうして……っ!!


「……これは俺の見た先輩のイメージだから、違ったら否定してくれていいんだけど」

「え……?」


雪杜くんから見た、私のイメージ……?
なにそれ、知りたいような、知りたくないような……!!


「あんまり、本音を言わなさそう」

「……」

「人のことばっかりで、自分の気持ちを正直に話すのが苦手そう」


鼻の奥がつんとする。
それって褒めてる? 雪杜くん。


「……あたり? はずれ?」


首を傾げて下から覗き混むような上目遣い。
あたりかはずれかと言われたら……たぶん。


「……あ、あたり……?」