春に笑って、君宿り。

ちらっと雪杜くんを見る。


「なにしてんの、行くんでしょ?」

「っ」


不機嫌な顔してるかな……なんて、全然そんなことなかった。
むしろ私と一緒に困ってそうな人を助けてくれた。


「ありがとう、雪杜くん」

「いいよ、新鮮で楽しいし」


なんていい顔をするの。

初めて会ったときも、学校で会ったときも思ったけど
雪杜くんはやっぱり悪い人じゃないんだ。

むしろ超絶いい人。


「えへへっ、私たちで助けちゃおっ!!」


そうやって私たちは、雪杜くんの家に着くまでの間
困ってそうな人を片っ端から助けていった。


さながらヒーローになった気分だ。

まあ、私のヒーローは雪杜くんだけなんですけどね!!
なんちゃって。