春に笑って、君宿り。

そして、最後の仕上げ。


「いたいのいたいの、とんでいけ~!!」


保護した傷をそっと撫でて、お空へぽーい!!


「ね、痛いの飛んでったでしょ?」


にこっと笑ってあげれば、男の子もつられて笑う。
よしよし、強いね。


「……うん!!」

「おねーちゃんすげえ!! つえー!!」

「ありがとー!!」


男の子達は立ち上がって、元気にまた走り出して行った。
もう転んじゃダメだぞ~!!


「……よくそんなもの持ってたね、先輩」

「雪杜くんが怪我したときに、いつでも助けられるようにと思って!!」

「俺、家でそんな怪我するシーン思いつかないけど」


えへへ、こんな調子でつい荷物が多くなっちゃうんだよね。


「……さすが」

「え?」

「優しいな、って思って」


フッと笑う雪杜くん。
……君の笑顔の方が、何倍も優しいよ。