春に笑って、君宿り。

好きな人と2人っきりの休日。
あんなに緊張していたのに、今は嬉しいと幸せがあっさり勝利。

だって、雪杜くんを独り占めできちゃうんだもーん!!

ふんふんと鼻歌を歌っちゃうし
スキップだってしちゃう。


「ぎゃはは!!」

「まて~!!」


向こうから小学校低学年くらいの2人の男の子が走ってくるのが見えた。

無邪気な笑顔でかわいいね。
天気がいいからついお空を見上げちゃうよね。

でもそんなに上を見て笑いながら走ってると転んじゃうよ?


「うわっ!!」

「あーっ!!」

「だ、大丈夫!?」


ま、まさか本当に転ぶとは思わなかったな!?

私はすぐ転んだ男の子の元へ駆け寄る。


「うっ、痛い……う……っ!!」


膝をすりむいて、大きな目から大きな涙がぼろぼろこぼれる。
綺麗な目が落っこちちゃうよ。


「ちょっとまってね!!」


私は鞄から水の入ったペットボトルを取り出して、急いでキャップを外す。

そして傷の周りについた泥や砂を洗い流すように、優しく男の子の傷口にかけた。

持っていたガーゼで傷口を軽く拭いて、新しいガーゼを当てて
最後にテープで保護して、終わり!!