春に笑って、君宿り。

解き始めた部分を「メロンパン」という花壱先輩。
だめだ、早速ついていけない気がする。


「そんで、ここに生クリームとパフェが入ってきて……なんでここに唐揚げが出てくるんだ?」

「……」


この人には数字や公式が食べ物に見えているのか?
いや、諦めるのはまだ早い。
おそらく花壱先輩の中で何か違和感があるんだ。

違和感、違和感……。


「……唐揚げでなく、ケーキだとしたらどうでしょうか」

「っ!!」


戦慄したように一瞬固まり、そしてシャープペンを走らせた。


「つまり……クレープということだな!?」


答え合わせを求めるように俺に見せてくる。
それが「クレープ」かどうかは置いておき、最初から目を通した。


「お、正解。すごいですね花壱先輩」


本当にすごい。
どうしたらそんな思考回路で数学が解けるんだろう。


「あー、すっきりした!! 環よりわかりやすくて助かるわ!!」

「花壱の覚え方って普通に理解できねーから」


タマキ先輩の言うとおりだ。
ある意味では天才なのかもしれない。