春に笑って、君宿り。


「……う、ん……ごめんなさい」


息がうまくできない。
視界が揺れる。……いや、滲む。

いやだ、泣いたらダメだ。


「……」


悪いのは、全部私なんだから。
泣く資格なんて私にはないんだ。

これでもう終わりなら、一瞬だけでもいいからちゃんと笑え私。


「今まで、ありが……」

――バサ……ッ


全身に力を入れて顔を上げたときだった。
信濃くんの姿は何も見えなくて、ただ視界が真っ暗になっただけ。


「邪魔なんだけど」


聞き覚えのある、心地よく脳内に響く声。
頭にかけられたのは、昨日私がコンビニで買ったタオルだ。


「!? わ、ぷ……っ」


そして、タオルごと顔をぐちゃぐちゃにされる。
乱暴だよ。

もっと優しくしてよ。

昨日のエリザベスちゃんみたいにさ。