春に笑って、君宿り。

――ピンポーン……

インターホンが鳴り、急いで部屋を出る。
モニターを確認すると、少し緊張気味の先輩達がそこに映っていた。

小走りで玄関に向かって鍵を開ける。


「奈冷、今日はよろしくな。これ後で食べてくれ」

「こちらこそ。いつもすみません」


慣れたようにタマキ先輩から紙袋を受け取る。

そうして、ぞろぞろと珍しそうに家の中を見渡しながら先輩達が中に入ってくる。


「おじゃましまーす」

「トーガ先輩って勉強するんですね」

「いちいち噛みつくようになったじゃん、ユキメ後輩」


「俺、なんかした?」とわざとらしく付け足すトーガ先輩。

すかさず挑発的に鼻で笑ってやる。

トーガ先輩の顔にピシッとヒビが入ったのを確認して、満足。


「すご~い。雪杜ん家ひっろ!!」

「す、すごい……!!」


ほかの先輩達がぞろぞろと入ってくる中、まだ玄関で立ち尽くしている花暖先輩を見る。


「どしたの?」

「あっ!? いやっ!! 失礼します!!?」

「……」


なに、緊張してるの?
たかが後輩の家に入るだけでしょ。