春に笑って、君宿り。

「もし都合が悪かったら別の日に……」

「ん? ああいや……まあ、大丈夫」


よかった、と笑うと雪杜くんもこくんとうなずいた。


「俺の家、タマキ先輩が知ってるから。みんなで来なよ」


また環くん!?


「気が狂いそう!!!!」

「なんで怒ってんの?」


雪杜くんと環くん、いつからそんなに仲良くなってたの!?
嫉妬!!
これは嫉妬だよ!!

彼女でもないですが!!
身の程をわきまえろと言われるかも知れませんが!!


「う~……」

「なんで唸ってんの?」


雪杜くんはずるいよ。
私の反応をみていちいち楽しむみたいにそんなふうに微笑むの。

本当にずるいよ。

誰にだってそんなことするの?
私にだけじゃないと許さないよ。

……彼女じゃ、ないけどさっ。
どうしたら私は雪杜くんに好きになってもらえるんだろう。


「……雪杜くん」

「うん?」

「好きになって」。
そう言いたい。

真っ直ぐ君の目を見てそう伝えたいけど、いつも言えずに終わる。