春に笑って、君宿り。

「……なんか、環くんと雪杜くん、仲良くなってる……?」

「懐いてんね、あれは」

「たしかに……!!」


2人の共通点を必死に探す。


そういえば、環くんは昔から頭がいい。
それにちらっと聞いた話、雪杜くんも相当頭がいいらしい。
学年一位……という噂だ。


「……まずい」


それに比べて私は。

はっきり言おう。
引かないで聞いてもらいたい。

ちゅ、中の中。

なんということでしょう。
これが恋に走り勉強を諦めた乙女の現実です。

ね、平凡でしょ?


「カノちゃん?」

「私、このままじゃ雪杜くんに幻滅されちゃう……!!」


少しでも雪杜くんに近づきたい。
卒業後の進路だって考えてる人はもう考えてる。

どうしよう。


「そういや、もう少しで模試もあるもんね~」


そう。
そうなのよ萌ちゃん。

急に現実に押しつぶされそうになる。
私の成績を雪杜くんが聞いたら、いよいよ相手にされなくなっちゃうよ……!!

「カノちゃん、思い切って雪杜くんと勉強会でもしてみたら!?」

「する!!」

「いいね、せっかくだしみんなでやる?」

「たしかに、そっちの方が誘いやすそう……!!」


よ、よし。

放課後、雪杜くんに勉強会のこと話してみよう……!!