内容はそんなにたいしたことなくて
ただ話しにきただけ、とか
顔見に来た、とか
それくらいのこと。

付き合ってる時みたいに何かをお願いされることは全くなくて
そっちに慣れていた私は少し拍子抜けしてしまうところがある。

毎日のようにタオルを持ってきていた日々が少し懐かしい。

雪杜くんとの仲を壊すって言われたのがすごく引っかかっていて、
一体何をされるんだろうと構えてしまうけれど
そんな様子も今のところ見受けられない。


「あ、あいつ!! おい環!!」

「ジャンケンで勝ったらいいぜ」

「んな事言ってる場合かよくそ!!」


帰り道、急に不安になって雪杜くんにその話題を出すと


「花暖先輩」


って真顔で名前を呼ばれるんだけども。


「……ん?」


上を見上げると、そこには雪杜くん……の幻?
やだ、私ったら。


「いつから雪杜くんの幻影なんか見るようになっちゃったんだろ……」

「はなの」

「カノちゃん」


2人に呼ばれて、ふへへと笑う。
実はね~おそろいの匂い袋も持っちゃってるんですよ私たち。
これでいつでも雪杜くんのこと感じられちゃうわけですよ。
ちなみにストラップだっておそろいなんです、えへへへ。