春に笑って、君宿り。

「1月31日」

「まって、スケジュールに入れる!!」

「ふ、必死じゃん」

「脳内メモリーに永久保存したよ!! お気に入り登録もした!!」

「どうなってんの、先輩の頭の中」


やっとこっちを見て、フッて笑ってくれた。
えへへ。
今からどうやって雪杜くんの誕生日にお祝いするか妄想が膨らむ。


風船で部屋をいっぱいにして
ケーキ作りに挑戦して
プレゼントは……わ・た・し!! とかしちゃって……?


「きゃ~~……っ!!」

「え、なんか嫌な予感……」

「ヒドイッ!!!!」


嫌な予感なんて失礼!!
せっかく人が雪杜くんとの幸せハッピーバースデーの妄想を膨らませてたというのに!!


「先輩さ」

「んっ?」

「そーやって、笑ってる方がいい。桜が咲いたみたい」

「っ」


とくん。

とくん、とくん。


『桜が咲いたみたい』


相手の笑顔が桜みたいだという。

……私と、おんなじだね。