***
翌日。
「……」
「……げ、元気出して? カノちゃん……」
校門をくぐってすぐ、大好きなお友達と遭遇。
昨日私は、自分のバカさにひどく落ち込み、二人に電話で話を聞いてもらったのだ。
私がこんなにどんよりしているのはごく稀なので、いっそ動画でも撮ってみてほしい。
今の私はそんな言葉も口に出せないくらい落ち込んでいる。
ああ、なんということでしょう。
私の昨日の失態を聞いてくれますか?
「う……信濃くんに嫌われちゃう……」
「タオルくらいで嫌いにならないって」
「そうそう、昨日のカノちゃんの行動は全部、人の為だったんだから」
ごめんね昨日のおばあさん。
少しだけ、あなたの素敵なお顔が浮かんでしまった。
そう。
あと数十円足りなくて、タオルを買うことができなかった。
そしてせめて謝ろうと思って学校に戻ったら、サッカー部の練習は終わっていて信濃くんの姿もなかった。
いったいなんと謝ればいいのやら……。
「……あ、」
乃奈香ちゃんが、何かに気付いたような声を出す。
視線は、私を超えた後ろのほう。
翌日。
「……」
「……げ、元気出して? カノちゃん……」
校門をくぐってすぐ、大好きなお友達と遭遇。
昨日私は、自分のバカさにひどく落ち込み、二人に電話で話を聞いてもらったのだ。
私がこんなにどんよりしているのはごく稀なので、いっそ動画でも撮ってみてほしい。
今の私はそんな言葉も口に出せないくらい落ち込んでいる。
ああ、なんということでしょう。
私の昨日の失態を聞いてくれますか?
「う……信濃くんに嫌われちゃう……」
「タオルくらいで嫌いにならないって」
「そうそう、昨日のカノちゃんの行動は全部、人の為だったんだから」
ごめんね昨日のおばあさん。
少しだけ、あなたの素敵なお顔が浮かんでしまった。
そう。
あと数十円足りなくて、タオルを買うことができなかった。
そしてせめて謝ろうと思って学校に戻ったら、サッカー部の練習は終わっていて信濃くんの姿もなかった。
いったいなんと謝ればいいのやら……。
「……あ、」
乃奈香ちゃんが、何かに気付いたような声を出す。
視線は、私を超えた後ろのほう。



