春に笑って、君宿り。

「大好き」


息をするのと同じくらい簡単に出てきてるように感じるでしょ?
ちゃんと、一つ一つ心がこもってるんだから。

そろそろきちんと受け取って欲しいな、雪杜くん。


「……うん」

「っ!?!?」


えっ!?
えっ!?!?


「ゆ、ゆきもりく……」

「……っ行くよ、さすがに今日はバスで帰るからね」

「ま、待ってよ~!!」


あしらわないで「うん」って言ってくれた。
……あれ? そういえば修学旅行中の電話の時も「うん」って言ってくれた気が……。


「~~……っ」


きゅんきゅん胸の辺りが鳴りっぱなし。
私の荷物を軽々と持って先を歩く君の背中に、
今すぐ飛びつきたい。

危ないって怒られそうだから、さすがにやめておくけど、でも。


「雪杜くん」

「なに」


隣に駆け寄ると、やっぱり表情は普通に戻ってて
相変わらず切り替えが早いな、その余裕が私にも欲しいな……なんて思いながら。