春に笑って、君宿り。

「……」


あああ、雪杜くんがきょとんとしてる!!
どうしようどうしよう。これじゃあ変に誤解させちゃうよ……!!

いつもの猪突猛進花咲け乙女な私はどこにいったの!!

当たって砕けろ精神はどこにいったの!!


「……ごめん」

「!?」


悲しい声!! で、「ごめん」!!
ほら!! 言わんこっちゃない!!
完璧に誤解させちゃった!!


「雪杜くん、違うの……」

「久しぶりで、腕に力、入った」

「……え」


雪杜くんの顔が、みるみるうちに赤くなっていく。
もしかして、さっきのことを言ってる……?


「い、嫌だったらごめん。……でも急に抱きついてくるそっちが悪いんだし、その……あいこってやつだから!!」


手の甲で口元を隠して、私の心をきゅんと打ち抜く雪杜くん。

そんなこと、私は気にしてないよって言ったらどんな反応見せてくれる?
もっともっとぎゅってして欲しかったって
なんなら今すぐ抱きしめて欲しいって言ったら、どんな……。


「……っ」


ああ苦しい。
好きって気持ちが大きいと、こんなに苦しくなるんだね。