そして。


「環くんと、信濃くんもありがとう。楽しかったよ」


一緒に行動してくれた男子2人にも、ご挨拶。
信濃くんの顔は、きちんとは見られていない。


「こちらこそありがと。楽しかった」

「カノ、お前は奈冷と帰る?」

「あ、うん」

「おけ、じゃあ俺はこいつ連れてくわ」

「は!?」


環くんは私の返事を確認した途端、隣にいた信濃くんの肩に腕をまわした。
当然信濃くんは目を大きく開いて驚いている。


「いや、帰らねえし!!」

「いーから付き合えって。じゃあなカノ、お疲れ!!」

「どこにだよ勝手に決めんな!! カノ、また来週な!!」


そのまま引きずられるように連れて行かれてしまった信濃くん。
背中越しに環くんがグッと親指を突き立てた気がするけど、なんのサインだったんだろう……?


「……荷物、持つ」

「ぅひゃあっ!?」


突然すぐ隣からASMRばりにいい声が聞こえて飛び上がった。
わりと本気で動画でも何でも出して欲しいかも。

……もちろん私限定でね?