*花暖side*

雪杜くんの匂い。
雪杜くんの体温。

……いつもと違って、包まれる腕にきゅっと力が込められている。

もっと、ぎゅっとして欲しいのに。

会えなかった期間なんてあっという間のはずなのに、こんなに懐かしい。
よっぽど私は心も体も雪杜くんを欲しがっていた。


「はなの、荷物荷物~!!」

「!!」


萌ちゃんの声で、はっとする。
それは、雪杜くんも一緒だったみたいで。
2人同時にぱっと体を離した。


「……っ、今行く!!」


そのまま雪杜くんの顔を見ずに、萌ちゃんの方へ小走りで向かった。

バスの荷台から下ろされた私の荷物を、萌ちゃんと乃奈香ちゃんが確保してくれている。


「ありがとう、2人とも!!」

「ふふ、感動の再会だね? カノちゃん」

「じゃああたしらは退散するよ。雪杜によろしく言っといてね、はなの」


2人の言葉にぽっと顔が赤くなる。
なんか、恥ずかしい……。


「2人とも、ありがとう。また来週ね!」


ばいばいと手を振って、女子組は解散。