春に笑って、君宿り。

俺の頭を撫でて「かわいい」って笑うのも
名前を呼んで飛びついてくるのも
変な噂から守ろうとしてくれるのも

それは全部俺が年下で、頼りないから。

あの人に似合うのは、きっと俺じゃない。


きっと今頃、あの人は同じ学年の人と仲良く楽しんでるんだろう。
定番の枕投げでもしてるんだろうか。

……いや、女子3人で赤裸々に話でもしてるんだろうか。


俺のいないところで、笑って。


「……」


ベッドに飛び込み、スマホを手に取る。
通知なんて来てるわけない。
分かってる。
今日ずっと確認していた、から。

四六時中連絡してくることは禁止。

それを条件に、夏休み前に連絡先を交換した。

文字だけでも伝わる。
どんな顔をして文字を打って、送信したのか。

放っておけばよかったのに
俺からの返事を待っているあの人の姿を考えたらできるわけなくて。

結局、毎日のようにメッセージアプリでのやりとりが続いた。


……のに。


修学旅行。たかが4泊5日。
その間連絡が無いくらいで、こんな。