春に笑って、君宿り。

いつから、1人の時間に違和感を感じるようになったんだろう。

今まではこれが普通だったんだ。


「……」


修学旅行の話を楽しそうにするあの人の事を思い出す。
新撰組がどうとか、友達がどうとか。

自由行動のグループにはタマキ先輩とトーガ先輩もいるとか。

想定の範囲内。
当然の事実。


けど、楽しそうに話すあの人に対して、いらつきを覚えた。


「よくそんなにはしゃげますね」
「その間、あんたの好きな『雪杜くん』は傍にいないんですが」


そんな言葉を何度飲み込んだかわからない。

ストレートに気持ちを伝えてくるあの人を
軽くあしらうことしかしてこなかったくせに。


認める。
というか、認めるしかない。

こんなの、つまらない嫉妬だ。

正直何度も思い知った。
あの人の周りには俺なんかよりいい人がたくさんいるって。

いろんな場面で見つけても必ず隣にタマキ先輩やトーガ先輩がいる。

聞けば、他にもたくさんの男と付き合ってきていたみたいだし。


こんなことに嫉妬したところで、本当に今更なんだけども。