春に笑って、君宿り。

もう、こうやって話せるなんて思ってなかったのに、
嫌だったろうに、遊園地に来てくれて、謝ってくれて。


「あの時は、私も嬉しくて」

「俺が遊園地に来たのが嬉しかったの?」

「う、うん……もう普通に話せないんだと思ってたから」

「……なにそれ、それであんなふうに笑ったの?」


う……。
そんなに変な顔して笑ってたかな、私。


「その笑顔に、一目惚れしたんですけど」

「……、えっ!?」


ただ、それだけのことで?
なんて思えるわけなかった。

だって私だって一目惚れしたんだ。

淡いピンクの桜吹雪の中で、満開の青い桜が咲いたみたいな笑顔に。


「……っ」


だから、否定できない。
自分がそうだから。
そんなわけないって言えなくて、顔がただ熱くなる。


「カノがユキメ後輩のことを好きなのは分かってる」

「……」

「けど、諦めるつもりもないから」

「……私も、雪杜くんのこと、諦めるつもりない……よ?」