2回目に会った時のこと。


星谷が思い出してくれたら嬉しいけど、正直いうと望み薄なんだよな。


あの時の俺、コンタクトじゃなくて眼鏡をかけていたから。


見た目が少し違うとなると気付きにくいかも。


初対面の時、星谷は俺の顔を殆ど見ていなかったっぽいから余計に難易度高いだろうな。


でも、星谷が思い出せなくても俺の記憶の中には色褪せずに残ってる。


それだけでも充分だ。


それに、楽しい思い出はこれから作っていけばいい。


まずは友達として。


小さな一歩だけど、大事な一歩。


星谷に“好き”を伝えるために。


かざしていた手をゆっくり下ろして、額にのせた。


『また明日』


何気なく使う言葉も、こんなにワクワクするなんて思ってもみなかった。


明日も当たり前のように星谷に会えるのが嬉しくてたまらない。


心が弾む。


早く学校に行く時間になれと思いながら、オレンジ色の光が弱くなっていく窓の向こうをボンヤリと眺めた。