部内コンテストの結果は、5位未満だった。
ひとり2枚出して5位まで発表されたけど、ランクインしたのは3人だけで、そのうちの2枚と2枚はそれぞれ同じ人だった。
もっと真面目に撮っておけばよかったな、なんて思った。

「澪帰ろー」
同じ部活の友達のあずが声をかけてきたので、帰る準備をした。

あ、タオル。

貰ってくれていいと言ってくれたけど、結局洗って持って来た。
今日も公園にいるかな。いたらやっぱり返そう。

「あ、澪さ、次のフォトコンってどんな写真撮る?」
夏休み明けにあるフォトコンテストだ。先輩が夏休みのうちにいっぱい写真撮っといてねと言っていた。
「んー…夏っぽい写真?」
物より景色より、人の写真はポイントが高い。物や景色の写真も入選することももちろんあるけど、できれば人の写真の方がいい。
けどその撮る対象の人がいない。そこら辺にいる人に、写真撮ってもいいですかと声をかけてもいいけど、やっぱり私には難しい。

「なーんでそんなテキトーなの、この前の春のフォトコン入選してたじゃん!」
5月にあったコンテストだ。桜をバックにランドセルを背負った妹の後ろ姿を撮った写真が入選した。
「1年のときも2回くらい入選してるでしょ?夏っぽいとかテキトーなこと言ってまたすごい写真撮るんでしょー」
あずは私の頭を軽くばんばんと叩いてそう言った。私は、全部たまたまだよ、と軽く笑いながら言った。

たまたまだ。春のフォトコンの写真だって、たまたまいいタイミングでシャッターが切れて、たまたま妹の顔の角度がいい感じになっていて、たまたま桜がいい感じに舞っていただけだ。
入選したのは嬉しかったけど、撮るタイミングさえ良ければ誰だって撮れる写真だからなあとも思ってしまう。