この恋を色で例えるなら



「澪ちゃん、入選したのってあれが初めて?」
瀬田さんが写真を見ている間、暇だろうからとスマホを見ていていいと言われたので見ていると急に質問されてびっくりした。
「一応…1年のときにも」
そう言うと瀬田さんはええっと少し驚いた表情をした。
「見たい見たい、どの写真?」
秋のフォトコンテストとクリスマスフォトコンテストだったかな。春のフォトコンの時はまだデジカメを使っていた頃だからその写真は今は持っていない。
「スマホに入ってると思います」
クリスマスの方は確かスマホで撮った。カメラロールをスクロールして去年の12月まで遡り瀬田さんに見せた。

「…綺麗だね」
ふっと優しく笑ってそう言った。
あずと一緒に作った雪だるまを使って撮った。
「すごい、これ雪だるま目線みたいになってるんだね。さすがのセンスだね」
私は微笑んだつもりの顔をしながら少し首を振った。
「あはは、なんでそんな謙虚なの」
私はスマホの画面に映ったその写真を眺めたままでいた。

「…自信ないの?」
何秒かの間があったように思う。
瀬田さんの目を見て、もう一度スマホに目をやった。
「私が選んだ写真じゃないんです。これも、あの桜の写真も」
周りが、急に静かになった気がした。
「澪ちゃんが選んだ写真じゃないって、撮ったのは澪ちゃんなんだよね?」
瀬田さんはずっと優しい声で話してくれた。
「はい。でも私はどっちの写真もそんなに自信なくて、他に自信がある写真があったんですけど」
話し下手が出てしまい内心少し焦った。
「なんでそっちの写真出さなかったの?」
静かな公園に静かに響く瀬田さんの声は心地よかった。
「周りの人がいいって言う写真の方が需要があるから」
桜の写真も、この雪だるまの写真も、自分はそんなに良いとは思わなかったし、今も思わない。でもきっと、周りの人がいい評価をしてくれた写真を出した方がコンテストでもいい評価を貰える。
今までに3回入選したけれど、全部自信のない写真で入選している。だからとても複雑だった。


「わかる」