【完】悪魔と天使




  翌日、母さんが迎えに来た。

 「じゃあな、漣」

 「……うん」

  荷物を車に乗せて助手席に座る。

  これから、母さんと暮らす……

  サイドミラーに歪んだ俺の顔がうつる。

 「ごめん。私のせいで苦労かけた。
  漣が嫌ってるのも知ってる。
  だけどこれはお父さんのためでも
  あるから」

 「どういうこと?」

 「……いつか、わかるわ」

  母さんも苦しそうに顔を歪めた。