【完】悪魔と天使


 「どういうこと。父さん」

 「ご、ごめんな、漣。
  実は漣が16歳になったら母さんが
  育てるって約束したんだ。
  明日、漣の誕生日だろう」

  父さんは不甲斐なく笑った。

 「俺、父さんといたい。母さんなんかやだ」

 「お願いだ。俺じゃもう漣を
  育てられない。悪い」

  なんで。開いた口が塞がらない。