【完】悪魔と天使


  呼ばないで。


  なんで、なんで、いんの。

  俺らを置いて、捨てて、
  他の男といたくせに。

  俺の中に言葉が溢れる。
  でも声に出ない。
  ねぇ、なんでいるの。
 
 「漣、明日から私と暮らすのよ。」

 「は…?」

 「お父さんと話し合ってもう決まった
  ことだから。じゃあ明日の朝迎えに
  くるわ。」

 「は?ちょ待てよ」

 そんな俺の言葉を無視して家を出ていく。