雨は嫌いだ。
  母さんを思い出す。

  俺、羽堂漣(うどうれん)。

  母さんが憎むほど嫌いだ。

  母さんは俺を置いて出ていった。
  それから俺は父さんと暮らしている。

  父さんはいい人だ。少し頼りないけど。

  よくいうサラリーマンという感じの
  父さんだ。

  母さんは…。

  母さんもいい人だった。