就職の最終面接に挑むような緊張感を抱き10分遅れで式場に足を踏み入れると、ホッとした表情で女性スタッフが早足で歩み寄るが、数メートル前で怪訝な顔で立ち止まった。
義姉、結子さんと別人と気付いたみたい。
「結」
その時、大嫌いな声に名を呼ばれ更なる緊張に包まれ振り向くと、切羽詰まった顔のあの人がいた。
「話がある」
「……はい」
あの人は、早歩きですぐ横の重厚な階段を駆け足で上がりその後を急いで付いて行くと、廊下の一番近くのドアを開け中に入るよう促した。
足を踏み入れたのは、エレガントなヨーロピアンクラシック調のブライズルーム。大きな窓からは、明るい陽が差込む広々とした美しい空間に思わず目を奪われた。でも背後でドアの閉まる音に即、現実に引き戻され体が固まった。
「結子が、逃げた。頼む! 代わりに式と披露宴に出てもらいたい」
「……どういうことですか?」
私は、ドキドキしながらもできる限りリアルに戸惑うふりをした。
「別の男と結婚すると置き手紙があった。もう日本にいない。娘の身勝手で大和君に恥かかせる訳にいかない。どうか協力してほしい」
父は、珍しく必死の形相の早口で語り初めて私に頭を下げてきた。
冷静沈着でポーカーフェイスなこの人もさすがにこの状況では無理か……。正直、自業自得! 娘を無理やり会社の駒にした罰!
そう言ってやりたいのをグッと堪え、父の薄い頭頂を見ながらほくそ笑んだ。
義姉、結子さんと別人と気付いたみたい。
「結」
その時、大嫌いな声に名を呼ばれ更なる緊張に包まれ振り向くと、切羽詰まった顔のあの人がいた。
「話がある」
「……はい」
あの人は、早歩きですぐ横の重厚な階段を駆け足で上がりその後を急いで付いて行くと、廊下の一番近くのドアを開け中に入るよう促した。
足を踏み入れたのは、エレガントなヨーロピアンクラシック調のブライズルーム。大きな窓からは、明るい陽が差込む広々とした美しい空間に思わず目を奪われた。でも背後でドアの閉まる音に即、現実に引き戻され体が固まった。
「結子が、逃げた。頼む! 代わりに式と披露宴に出てもらいたい」
「……どういうことですか?」
私は、ドキドキしながらもできる限りリアルに戸惑うふりをした。
「別の男と結婚すると置き手紙があった。もう日本にいない。娘の身勝手で大和君に恥かかせる訳にいかない。どうか協力してほしい」
父は、珍しく必死の形相の早口で語り初めて私に頭を下げてきた。
冷静沈着でポーカーフェイスなこの人もさすがにこの状況では無理か……。正直、自業自得! 娘を無理やり会社の駒にした罰!
そう言ってやりたいのをグッと堪え、父の薄い頭頂を見ながらほくそ笑んだ。


